1年以上の海外赴任/海外転勤で住民票は抜くべき?残すべき?

(筆者コメント)*私以外の海外赴任経験者からもコメントいただきまして、一部追記・変更を加えました。

「これも知っておいた方が良い!」などありましたら、コメントいただけますと幸いです。

 

海外赴任、海外転勤前に誰しも悩むのが「住民票どうしよう・・」です。

役所に行って、「海外転出届」を提出することで住民票を抜くことができるのですが、残すか抜くかは、人によって考え方が違います。

そこで、住民票を残す場合と住民票を抜く場合のメリット/デメリットをまとめた上で実際に海外赴任中の私が住民票をどうしたかをお伝えします。

また、単身赴任で海外に転勤するのか家族全員なのか、奥様だけなのか、お子さんがいるのかによっても状況が変わってくるので補足します。

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【海外赴任時に住民票を日本に残す場合】

◯日本に住民票を残すメリット

  • 年金の積み立てをやめないで良い
  • 定期的に日本に帰った際に、子どもの予防接種などを日本国負担で受けられる
  • 国民健康保険に加入し続けられる

  ただし、会社員の場合は所属する会社の健康保険(社会保険)の方が、国民健康保険よりも圧倒的にお得なので、あまり意味がありません。

×日本に住民票を残すデメリット

  • 数十万円の日本の住民税を払い続けることになる

これは大きいですよね。さらに、海外赴任者の場合は赴任地での住民税は会社負担だと思います。

【海外赴任時に住民票を抜く場合】

◯海外転勤時に住民票を抜くメリット

  • 翌年分の住民税を払う必要がなくなる

私も勘違いしていたのですが、住民票を抜いたら翌月からすぐに住民税を払わなくてよい、というわけではありません。

正式には、日本での所得が無くなった翌年の6月から納税義務がなくなるのです。

その年に住民税を払うかどうかの判断は、1月1日時点で日本に住民票が有るか・抜いてあるかが重要です。

1月1日時点で住民票が海外にあるのならば、その年の6月から日本国の住民税の支払いは免除されます。

繰り返しですが、前年度所得に応じた課税なので海外赴任後すぐは、引き続き住民税を払い続けないといけません。

・国民年金が強制ではなく、任意加入となる

×海外転勤時に住民票を抜くデメリット

  • 印鑑証明が取れなくなる

海外赴任前の廃車手続きに印鑑証明が必要です。

ただし、住民票を抜くのは出国直前なので廃車の手続きはとっくに終わっています。

  • 住宅ローン控除が受けられなくなる

マンションや一軒家をローンで購入された方にとっては住宅借入金等特別控除が受けられなくなります。

住宅ローン控除の条件が、「新築又は取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続き住んでいること」となっているからです。

住民票を除票すると、その住宅に住んでいないことになりますから、住宅ローン控除は受けられなくなります。

ただし、当然ですが海外赴任から戻った際には、控除の再適用を受けることが可能です。

  • 海外赴任中の日本の選挙権が無くなる

以上が海外赴任時に住民票を残す場合と抜く場合のメリット/デメリットです。

結果的に僕がどうしたかというと、住民票は抜きました。

残すメリットがほとんどなく、住民税を節約したかったので。

赴任国での諸税は派遣元の日本本社が負担してくれる場合が一般的なようです。

で、日本の住民票はどうやって抜くの?

住民票のある役所に行って、「海外転出届」を提出することで住民票を抜くことができます。

住民票の除票は、赴任の2週間前から可能です。

ただし、2週間前といえば海外転勤に向けてかなりドタバタしている時期なので、交渉次第ではもう少し早くから手続きすることも可能かもしれません。

いずれにせよ、実際に手続きをすることになる近くの役所に早めに相談することをおすすめします。

僕は単身赴任のため、世帯主を妻に移す必要がありましたが、これも自動で役所がやってくれます。

少しの手間がかかりますが、かなりの金額(数十万円!)の違いになるので、住民税の免除の対象となる1年以上の海外赴任の場合は住民票を外すことをおすすめします。

夫婦共働きだった場合は、住民税だけで70~80万くらいの支払いが不要になることになりますね。

海外赴任時の児童手当の支払い

また、単身赴任家庭でお子さんがいらっしゃる場合に重要なのが児童手当です。

中学3年生までは児童手当が受け取れるわけですから、しっかり手続きをしましょう。

周りの駐在員家族に聞いてみても、みなさん大抵の場合児童手当の受給者は夫にしていたようです。

児童手当は、子と住所を同一にする親に対して支払われるお金なので、親の住民票が移動すると支払いが停止してしまいます。

受給者を夫にしている場合は、海外赴任に際して住民票の除票をするときに受給者を妻に変更しましょう。

忘れてしまうと、児童手当がもらえなくなり、自分で気づくまで毎月の支払いが止まってしまいます。

 

少し変わりますが、海外転勤される方は、赴任前にこれらの本を読んで行かれると良いと思います。

↓の異文化理解力については、私のレビュー記事もご覧ください。





11 Responses to “1年以上の海外赴任/海外転勤で住民票は抜くべき?残すべき?”

  1. たっく より:

    情報をありがとうございます!今年度に海外赴任予定なのですが、住民票を抜いていくと、免税になる期間は2016年以降ということで合っていますか?

    • ハラボーUS より:

      >たっくさん
      遅くなってしまいすみません!
      15年中に赴任をして、住民票を抜くとなると住民税が免除になるのは
      2016年の6月からですね!

  2. ちゃいなクラブ より:

    既に海外駐在3年目に突入しているちゃいなクラブと申します。
    この記事とは少し離れる話なのですが気になることがありコメントしました。

    私も住民票は抜いて赴任したのですが、最近になって頭の痛い問題が…。
    「マイナンバー」制度です。
    私は証券会社に口座を持っており、赴任時実家に登録住所を移してそのまま口座を保有しています。(この証券会社は、海外に住む人は保有財産を全て処分して口座を閉じることを求めていました)

    マイナンバー制度導入と同時にナンバー通知を求められると住民票のない私は対応できません。
    打てる手としては、

    1.制度導入までに財産を全て処分する
    2.帰任まで証券会社の要求を無視し続ける
    3.制度導入直前に日本で転入届を出し、一瞬でまた抜く

    といったところかと思います。
    出来れば1.はしたくないし、2.は資産を凍結されたりするリスクがあります。
    私は恐らく来年には帰任できそうなのですが…。
    そこで3.の手を採った場合、税負担はどうなるでしょうか?

    ややこしい話ですが、アドバイスをいただけると幸いです。

  3. 参考まで より:

    お邪魔します。

    記事では「住宅取得控除」について書かれていないため、コメントさせていただきます。

    住宅取得控除を受けられている方は、住民票を抜く(非居住者となる)ことで、この控除が受けられなくなります。

    現在適用を受けられている方は、住民票を抜くことの”デメリット”としてご認識いただく必要があると思います。

    差し出がましいようで恐縮ですが、参考までに。

    • ハラボーUS より:

      コメントありがとうございます。

      確かに住宅ローン控除についての情報も必要ですね。
      私が借家で赴任したので、その視点が抜けていました。記事に加筆させていただきます。

      • sinori より:

        お世話になります。
        今現在、住民票を抜いて海外赴任中ですが、この夏私と子供だけ帰国する事になります。元住んでいた所に戻る予定なのですが、この場合私と子供だけを転入届で登録をするのでしょうか?主人は引き続き海外なので、我々も行き来はするのですが今後は住民票を残す方向の方がいいのかな?と考えています。理由としては、私は赴任する際仕事を辞めて行ったのですが、無職であることと、主人は海外の会社からお給料を頂いているので住民税が掛からない?と思っていることと。私が仕事を辞めた時に失業保険を受給せずに延長をしています。それを受給するには住民票登録が必要になるかと。
        長くなりましたがご教示願います。

  4. 暖かい国へ より:

    お世話になります。今年の4月より海外赴任をします。期間は、3年です。赴任中は、日本での所得がなくなりますので、住民税は発生しなくなり、住民票を抜くメリットがないのではないでしょうか?もちろん、赴任してから、一年間くらいは、住民税が発生してしまいますが。

    • ハラボーUS より:

      >暖かい国へさん

      住民税1年分が相当な費用になるので、十分住民票を抜くメリットはあると考えます。
      また、企業によっては支払いが一部現地口座で、一部日本の口座というところもあるので、収入が0になるのはメジャーなケースではありません。
      なので、継続的に住民税もかかってしまうリスクがあります。

      • 暖かい国へ より:

        ご回答ありがとうございます。日本国内口座へ手当てが振り込まれても、留守宅手当てのように非課税所得であれば、日本でも給与を頂いていても、税法上、所得なしとみなされ、渡航2年目からは住民税が発生しないです。どこのサイトを調べても、住民税が発生するから住民票を抜いた方がいいという説明が多いですが、住民票を抜いても、一年間は住民税はかかるので、日本国内での所得がない場合もしくは、非課税所得の場合は、住民票を抜かない方がメリットがあると考えます。

        私の場合、住民票を抜くと、証券取引やインターネットバンキングの使用ができなくなるのがデメリットです。

        • ハラボーUS より:

          暖かい国へさん、
          住民票を抜かない方がメリットがあるというのがあまりよくわからないのですが、ベストな選択をされることを願っています!

          • 暖かい国へ より:

            そうですね。どう考えるかはその人しだいです。

            ただここでお伝えしたいのは、住民税は住民票が残っているから、かかるものではなく、課税所得の有無によって、金額が決定し、かかるものです。

            所得なし=住民税なしです。

            赴任の際は、日本の会社から振り込まれた給与が、課税所得か非課税所得か、確認することをお勧めします。

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