海外での電気の契約事情:フランス編
海外赴任をすると、赴任先では、生活の様々な契約手続が待っています。
基本的には会社がかわりにやってくれる事が多いですが、会社によっては個人で手続きを行わなければならないこともあるでしょう。加えて会社に完全におまかせするのもよいですが、契約の中身を知っておくに越したことはありません。
今回はそんな手続きの中でも、フランスにおける電気の契約について紹介し、さらに、フランスの電気事情についてご紹介します。
フランスで本人確認には電気の領収書が欠かせない!?
フランスでは、電気の契約はとても重要です。必ず本人名義で契約しなければなりません。
電気の領収書は、フランスでは重要書類のひとつなので覚えておきましょう。
実は、電気の領収書は、本人確認や住所を証明する書類として一番メジャーな書類なのです。ビザ申請から運転免許の書き換え、銀行口座の開設、携帯電話の契約、等ありとあらゆる場所で活躍する事になります。
契約名、住所が間違って契約されていないか、一字一句必ず確認しましょう。
名前や住所を間違えて登録される、というのは、日本ではほぼありませんが、フランスではよくある事です。
一旦間違えて登録されてしまうと、訂正を依頼するのに多大な労力と時間が必要になるのもフランスならではです。フランスでは何か契約する際は、フランス人をあまり信頼せずきちんと自分で登録内容を確認してください。
フランスでは、電気は通常一年単位の契約です。一年間で使う量を予想し、それを12か月で割ったものを毎月支払います。
1年が終わると、実際の使った量との差額が請求される、もしくはお金が返って来ます。それを毎年繰り返します。この辺も、日本とはちょっと違いますね。
ところで、フランスの電気料金は、日本より高いのでしょうか、安いのでしょうか。
1kWhあたりの料金単価で比べてみました。
日本もフランスも、電気料金プランによって電気の単価は違いますが、最も平均的な単価で比べてみます。
フランスの1kWhあたりの料金 | 0.156ユーロ(約18円) | EDF社 |
日本の1kWhあたりの料金 | 26円 | 東京電力 |
いかがでしょうか?フランスの電気料金の方が日本よりも安い事がおわかりいただけるかと思います。
実は、フランスはヨーロッパの中でも電気料金の安い国の1つです。
フランスの発電の割合をグラフで紹介します。
【参考:フランスの電源構成】
フランスでは原子力発電の割合は高く、7割以上にも上り、このため電気料金が安くなっています。
次に多いのが水力発電です。アルプスやピレネーなどの山地を活用しての水力発電が盛んで、これも電気料金を押し下げる要因のひとつです。
また、原子力と水力発電のおかげで、フランスはCO2の排出量(1人当たりの排出量)が先進国の中でも少ない国の一つです。
フランスでは93.8%の発電が、二酸化炭素を輩出しない発電方法、原子力・水力発電・そして再生可能エネルギーによって賄われています。
ドイツに比べられることの多いフランス。
そして大抵の場合ドイツにくらべて、なにごとも評価が低い印象が多いのもフランスですが、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量は原発と水力発電のおかげでヨーロッパでもトップクラスの低さで、低炭素社会のリーダー国家、という立場を築いています。
一方、環境問題に関しては優等生とされがちなドイツは、増えてしまった二酸化炭素の排出量に頭をかかえています。
普段の生活ではいい加減さが目立つフランス人ですが、政治力が高いのも特徴です。
情報提供:電気・ガス料金比較:セレクトラ・ジャパン(http ://selectra.jp/)
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